誰かの“発進”を見届ける。それが、先生という仕事。教習指導員の仕事は、ただ運転を教えるだけではありません。運転という“できないこと”を“できる”に変える、その一歩を支える仕事です。

たとえば、「ハンドルを握るのが怖い」と言っていた生徒が、ある日、笑顔で「運転って楽しいかも」と言ってくれた。その瞬間、自分の教えが届いた実感とともに、他では感じられないような感動があるのです。免許取得というゴールを目指して、二人三脚で走る日々。失敗して落ち込んでいた生徒が、最終試験で合格し、「先生に見てほしいから、今日報告に来ました！」とわざわざ来てくれたこともあります。時に「先生ってすごいな」と言ってもらえるけれど、本当は、こちらが学ばせてもらっているのかもしれません。

この仕事は、「できるようになった」その喜びを、最も近くで感じられる仕事。そして、人の成長を喜ぶことで、自分自身も成長していける――
それが、教習指導員という“先生”のやりがいです。